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2014年3月

2014年3月 3日 (月)

日本都市計画学会「巨大震災に備えるシンポジウム」

日本都市計画学会主催の「首都直下地震の新しい被害想定から首都地震対策を考える」シンポジウムにおいて,
「復興まちづくりの主体論—東京で継続してきた事前復興の取り組みから—」
と題して話題提供をさせていただき(レジュメはこちらです),
引き続きパネラーとして主に,
「コミュニティ防災の指標化」および
「事前復興まちづくりの制度化」
に関する論点に対して次のように発言させていただきました.


  1. 「被害想定のもつ数値の意味と被害軽減対策の組み込み方」に関連して,コミュニティベースの取り組みを事例として,事象としてプレゼンしたが,定量化が無理と考えている訳ではなく,積極的に地域や企業といった集団がもつ防災力の指標化を図っていきたいと考えている.たとえば,帰宅支障問題において,家庭間のルール有無と子どもをご近所で地域で見守るルールの有無により,無理な帰宅意図はかなり低減できると思われ,これは定量化がそれほど難しくない.

  2. コミュニティ防災を指標化していくにあたっては,地域危険度のようなフィジカルな指標とは異なり,行政だけで突き進めるのは難しい面も出てくるのではないか.なぜならば,コミュニティ防災力,言い換えれば地域防災力の高位,低位が明らかとなった際,低位集団への配慮でかなりの資源が費やされてしまう懸念が想定される.

  3. 加えて,コミュニティ防災力は,いざという時の対応で最終的には評価されるべきであるが,発生頻度が低い場合に,小さなハザードに対する地域としての対応を組み込めるとフィードバックにもなり,よいのではないか.たとえば,2014年2月の大雪に対して,自治会や集合住宅管理組合がどんな行動をとったか,など.

  4. 指標化はさらに,特定の指標化によって表現され得ない事象の視点から,つねに検証していく必要があると思われる.たとえば,地域防災訓練の評価にあたり,参加者数だけでなく,未就学児のいる母親の視点からどうか.練馬区バンブーシェルターProjectでは当日に多くの未就学児と母親の参加があったが,これは「避難拠点」として学校避難所の取り組みが進展しつつも,母親層において,漠然とした不安を感じていたことに気づかされた.

  5. 不燃化特区10年のように,人的予算的資源を集中的に投入しインテンシィブに進めていく事業と事前復興まちづくりのようなソフトに軸足を置いたアプローチとの関係であるが,事前復興まちづくりでは,「訓練だから」として,これまでの市街地整備の中で,タブーとなっていた事象に切り込める身軽さがある.たとえば,市街化に伴う区画整理事業を何度か検討したが,合意に至らなかった経緯をもつ地区で,仮に大きな被害が生じた際,保有土地資産価値の向上という面よりも,災害をくりかえさない地域をつくるための方法,として区画整理を復興訓練方針の中で位置づけた事例がある.

  6. 事前復興まちづくりの取り組みをいかに,制度に乗せていくか,という論点については,事前の防災まちづくり事業と事後の復興まちづくり事業を連続させて,事前にやっていた地区でこそ,事後の復興でもボーナスが得られるような連続した制度づくりが望まれる.

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