震災復興まちづくり模擬訓練

2009年8月 5日 (水)

品川で事前復興ビジョンを考える

 ここ数年,東京都都市整備局主宰の「都市復興図上訓練」にコミットさせていただく機会をいただいている.この訓練は参加対象が東京の市区職員で「都市復興」に関する備えを進めよう,というもの.今年度は品川区を対象に実施され,参加者といっしょに現場点検をおこなった.
 個人的に興味深かった点は2つ.1つは,たまたま発見した戸越公園駅近くの「はるにれ」.エントランスは芦花公園の「アイバンラーメン」に似ているが,お店の中はリファインされていて,老若男女問わず,愛されているお店であることを感じた.こういった「地元の名店」がもしもの際,一日でも早く再開したい,と気持ちを持ってくれた際,食材/厨房/建物構造といった点でどういった支障と支援の可能性があるか.なお,「アイバンラーメン」は「食材は地元調達で」とがんばっている様子.この点も災害時にどう影響するのか,中越沖などの類似事例スタディをしておく余地がありそうだ.
 2点目に,幅員10m,20m,30mといった計画線が入っている都市計画道路について,歩者道のバランスや周辺の町並みとの関係で,どのような沿道空間像が描けるか,という点について,都市計画家のセンスがこれまで弱かったのではないか,という点だ.少なくとも,10mと30mで道路景観は異なるし,歩者道の作り方次第で「地元商店街の衰退」を招かないデザインもあり得るのではないか.

dscn0170    dscn0176

2009年3月 8日 (日)

葛飾堀切 復興まちづくり訓練報告会

 3/7(土)に昨年10月から5ヶ月にわたって開催してきた堀切地区 震災復興まちづくり模擬訓練についての報告会が開催された.私は後半のシンポジウムのコーディネーターを務めさせていただいた.
 復興訓練も初めて着手した練馬貫井からはや5年.そう考えると,堀切の訓練は3世代目(もしくはバージョン3.0)くらいの位置づけがあり得るかな,と感慨深くなりながら進行させていただいた.
horikirisimpo01horikirisimpo02

2009年2月17日 (火)

町田地域ケア会議 災害時要援護者対応にかかる講習会

ちょっとした縁があって,「社会的弱者」について考える催しをお手伝いする機会に恵まれた.これまで問題意識は持っていたものの,具体的な「要点」がわかっておらず,講師としてお越しいただいたNPO阪神高齢者障害者支援ネットワークの宇都さんに助けられた.
今回会場となった町田市金井地区の「清風園」は昭和34年の開園で,その当時,付近はまだ家がぽつぽつという状況だったそうです.開園にあたり,スタッフ募集を地域でおこなったりと,開園から現在に至るまで「地域に開かれているんですよ」と職員の方から伺った点が印象的だった.1980年代後半に東京の郊外にできた福祉施設は地域と無関係な場合も少なくなく,災害時および復旧復興のシナリオを考える上で,大きな課題と感じていたからだ.
2009march_machida
【市古なりのまとめ】



  1. 講習会(グループワーク)の目的について

  2. ケア会議メンバーは,①地元町会,②民生児童委員,③福祉施設職員,④社会福祉協議会など福祉団体職員,から構成されており,日常的に高齢者や障碍者に接したり,ケアーの現場で活動されている.
    一方で巨大地震時にどのような状況になるか,日常的なサービスが提供できない,避難所への誘導や負傷者ケアーなど応急対応,学校避難所を中心とした避難生活での支援の必要など,非日常の視点で,必要な準備を考えておく必要がある.
    本日のグループワークでは,避難生活に焦点をあてて,生じるであろう問題を検討し,準備策の具体化までは難しくとも,課題を明確にすることができれば,目的を果たせると考えた.
  3. 金井周辺地区における災害時の弱者対応に関する課題

    • 避難所運営会議での準備,マニュアルづくりが必要(特に避難所の受付対応が大事).

    • 町会の役員は数年で交代する.知識を継承させていくしかけが必要.

    • 清風園,その他福祉サービス施設は,災害時に職員が出勤できない可能性もある.地域で対応しなければならない面も出てくる.

    • 複数の単位町会で各小中学校を避難所にしている.場合によっては,単位町会ごとに近隣防災拠点をつくり,物資や情報のブランチとすることも効果的だろう.

    • 金井周辺地区における「要援護者」の発生予想数を試算しておくことも大事.町田市によれば,市として「要援護者」の想定人数は約8,000人(人口の約2%)



  4. 金井周辺地区の災害時の資源と長所

    • 火災を防げれば,直接被害はほとんど抑えることができるだろう.
      清風園があり,地域との協力関係が築かれていること

    • 地域ケア会議が立ち上げられ,日常的に関係者の「顔の見える関係」があること

    • 町田消防署,鶴川出張所との日常的な関係も資源になる.



  5. 最後に

    • このような講習会は,地元,行政,福祉関係機関,消防署が持っている情報をその場でオープンにして,情報を共有できた上で議論できるという「場」がもてる点が長所.日常的な「顔の見える関係」は非日常で最も有効.

    • よって,準備の段階から,地域メンバーにも入ってもらい,知りたい情報をリクエストすることも大事.

    • いわゆる「共助」は,日常時と異なる災害時に,行政ができないこと,福祉関係機関ができないこと(日常時のサービス水準を確保できないこと)を理解し,地域でいかに緊急期間を乗り切るか,日常サービスを補完するか,その方法を検討しておくことが肝要.



2009年1月27日 (火)

八王子市諏訪町での震災復興訓練第3回

 八王子市諏訪町での復興訓練の最終回.

 住宅地としての基盤整備の必要性と手法について話が盛り上がった.復興訓練という場だったから,という面もあるかと思うが,行き止まり道路,陣馬街道へのアクセスの悪さ,交差点の行き違い,など課題としては認識されていることが浮かび上がった.

 実際には,相当なエネルギーと資力を覚悟しないと,面的な再整備は難しい面もあろう.ただし,「計画」という力はその可能性を秘めているように思う.

2008年12月15日 (月)

葛飾区堀切地区 震災復興まちづくり模擬訓練第3回

 第2回目から2週間をはさんで,12/14に第3回目「まちの復興計画づくりを検討する」を開催.
 私は第3回にむけて,「葛飾区地域協働型復興の手順」を職員プロジェクトチームと検討してきたが,そのお披露目の場となった.「こんなの無理」という応答だったらどうしよう,と不安だったが,実際にはその逆,「事前にできそうなことは,事前に取り組んでおくべき」という意見をいただいた.

2008年11月30日 (日)

葛飾区堀切地区 震災復興まちづくり模擬訓練第2回

 前回第1回は高齢者単身世帯や商店主,作業場社長といった堀切地域で生活し生計を営む代表的なパターンの立場で,住まい,お店,こうばの再建を考えた.
 第2回訓練では,学校避難所を中心とした避難生活が一段落した後,地域に留まって再建を進めるための「時限的市街地」がテーマであった.
 僕は「時限的市街地の方針チーム」のファシリテーターを担当した.
 ・小中学校の校庭は使わない
 ・焼失地は可能性はあるが地権者の意向を第一にすべきだろう,
 ・中川土手(首都高速下)を利用するしかない
 といった方向性が出された.他のチームで1/100模型を使って仮設住宅地を検討したチームの知見を踏まえると,「避難生活に対応し,ケアーするための拠点」からどのように移行させていくか,という視点を加えなければいけないな,と感じた.
horikiri2nd01.jpghorikiri2nd02.jpg

2008年11月 3日 (月)

葛飾区堀切地区 震災復興まちづくり模擬訓練第1回

 先週の八王子市諏訪町に続き,今週は堀切菖蒲園や下町グルメで魅力的な葛飾区堀切地区にて震災復興まちづくり模擬訓練に参加.
 堀切における私の担当は,訓練用被害想定の作成と当日のファシリテーター.被害想定で言えば,八王子や練馬と異なり,内閣府や東京都による東京湾北部M7.3の被害像をしっかり見据えることが大事.
 ファシリテーターについては,毎回のことながら,あがってしまい,わかりづらい説明になってしまった面があり,反省.
 柏崎の復興に従事されている若手研究者に興味深い話をしてもらい,よいスタートになった.
 木造建築の耐震改修をテーマとする博士課程の院生の参加もあり,今後の展開が楽しみな訓練.

2008年10月27日 (月)

八王子市諏訪町での震災復興訓練第2回

 八王子市諏訪町の自主防災組織、市の都市計画室、防災課と大学とで共同開催している全3回の訓練の2回目.
 2回目は,住宅が被災した場合のすまいの再建を考えるグループと延焼被害が発生した場合のすわの道の再建を考えるグループでそれぞれ検討し,第3回の「復興まちづくり方針を考える」につなげようというもの.
 可能なかぎり準備にリソースを費やしたが,いかがだったであろう.
 ファシリテーターを担当してみて,住宅を現地で再建するか,地区外で再建するかの条件は,資金の目処,が効いてくることは予想していたが,それ以上に,「地域におけるミッション(もしくは役割,プレゼンス,地縁といった用語)」に左右される面もありそうだ,という結果になった点が興味深かった.

私の発表論文等

無料ブログはココログ
2019年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

To mail